スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

はやくも

書くことがなくなってしまった・・・
と、いうわけで
昔書いたつたない文章でも アセアセ




「日本本土に残された最後の青」

 2006年夏、私は母の実家鹿児島県南さつま市へと来ていた。母の実家は日本でも有数の田舎である。バスは二時間に一度。話されている言葉は理解不能な異国の言葉である。しかし、その町は美しい。山の中にひっそりと存在し、煉瓦作りの私鉄の駅跡が寂しそうながらも美しく佇んでいる。今は有名になった本坊酒蔵の元の蔵もここにある。私は毎朝数年前まではまだ立ち木の置いてあった線路跡を歩くのを好んだ。
 ある日母や叔母に「餓鬼どもは法事の準備の邪魔」と言われ、従兄弟の車でドライブに出て行った。最近意味もなく増やされた信号(この町で二つきりであり、50Mも間があいてないのである)を抜け、60年前には祖母が教師をしていた小学校を横目に車幅ほどしかない山道を登っていった。木々に空を覆われた道を進むと急に視界が晴れる。そこに曾祖母が愛した新澤の村を眼下に美しい山々が姿をあらわした。こんなに美しい風景を22年も見逃していたのかと思うと自分を腹立たしく感じる。言葉を失っている私をみて、従兄弟は「こんくらいで驚いとるようなら鹿児島(かごんま)のこと半分もわかってないってことやんか」と意味深げに笑って見せ車に乗り込んだ。私も後ろ髪を引かれる思いで車に乗り込むと車は山をおりていった。
 山をおり、来た道をもどる。先ほど通った信号を過ぎ、祖父の墓の方へ向かい田の神様(タヌカンサー)の石像のある交差点で左折する。昔ながらの土間からの上がり口の高い家が道路にぽつりぽつりとならんでいるが、その家々も少しずつ少なくなっていく。そのうち、家はひとつもなくなりまた山道へとなっていった。木々に覆われた道を登っていく間、また先程のように視界がひらけるのかと思っていたのだが、私の予想に反して道は下りへと変化してしまった。しばらく進むと、小さな…小さすぎる港に着いた。秋目という港村らしい。船着場には船が二隻しかない。村唯一の店(食堂のように見える)に村民が4、5人集まっていた。窓にはダイビング用スーツが干されている。素潜り漁でもするのであろうか。この村には石碑があり、石碑には『007』の撮影のためにここ秋目にショーン・コネリーが来たことが書いてあった。…こんな場所にどうやって機材を運んだのだろうか。年を見ると両親が子供だった頃のことのようだ。ちょっとした感動を味わいながら車は南へと海岸線を下っていった。
薩摩半島の西側に位置するこの海岸線で夕日が沈むさまを想像すると今が昼時であることが悔まれた。さらに進むと数台の車が停まっている展望台に着いた。車をおりて遠く海岸線を望んでみる。どこまでも広がる水平線を眺めていると人々が別の方向を見ていることに気付いた。真下である。我々の真下であった。そこにはここが沖縄であると錯覚を起こすほどのマリンブルーに輝く入り江があるではないか!!沖縄を除いた日本本土でここまで美しい海がまだ残っているのかと感銘をうけた。従兄弟に促されて車にしぶしぶ乗り込んだ。車は『丸木浜海水浴場』という看板を過ぎていく。「寄っていこうよ」私は従兄弟に頼み込むように言った。従兄弟は「まあまあ、もっといいとこに連れていってやるけん」と言って車を進めていく。車は少し狭くなった道を進み、小さな駐車場に着いた。私は車をおりて従兄弟の後ろを急な斜面を下っていった。
 そこには先程の看板のあった海水浴場より二周り程狭い砂浜があった。右手には潮溜まりと呼ぶには大きすぎるそれがあり、左手奥には手漕ぎの船でも着くのであろうか、2平方Mあまりの船着場が見える。潮溜まりでは子供たちが好きなようにあそんでいる。従兄弟は周りを見回している私を置いて左の方へと歩いていった。慌てて従兄弟の後を追いかける。船着場に着いて従兄弟の指差す足元の海を見ると、3M程下の海底が美しく透き通ってみえる。さらにそこには我々の影も気にしていない魚達が悠々と泳いでいるではないか!!私は沖縄に何度か行ったことがあるのだが、まさにここ丸木浜のこの海は沖縄の海そのままなのである。奄美大島より北、日本本土にこのような海がある事実はなかなか受け入れがたい。しかし、これほどの喜びはないのではないだろうか。残念なことに私は水着を持ってきておらず、海に入ることなくその場を後にした。来年こそは泳ぐと心に誓って…。
スポンサーサイト

コメント


コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://epiepiepiepiepi.blog110.fc2.com/tb.php/4-ad950bd4

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。